シャルミーン・オベイド=チノイ 映画が変える世界の見方【TEDトーク】~名誉殺人~

TEDトーク
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今回紹介するのは・・・

映画が変える世界の見方です!

概略

映画には、自分や自分の文化の見方を変える力があります。ドキュメンタリー映画作家でTEDフェローのシャルミーン・オベイド=チノイは、パキスタンの風習である「名誉殺人(家族が名誉を守るために、婚前交渉や同性愛等の恥と思われる行為を行った者を自ら殺害する風習)」にカメラを向け、映画の力で女性に対する暴力と戦っています。この心揺さぶるトークでは、自らを撮ったアカデミー賞受賞映画を上映する移動式の映画館と旅に出て、パキスタン全土にある小さな町や村を巡り、上映を重ねながら、女性、男性、社会の関係をいかに変えてきたかが語られています

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シャルミーン・オベイド=チノイさんの過去

ストーリーテラーである彼女はトラブルメーカーでもありました。そこで厄介な質問ばかりする彼女に対して、母親が地元の新聞に記事を書いてはどうか?と提案しました。17歳で潜入調査の事件記者となり、何人かの権力者を名指しして恥をかかせたりしました。そのため、報復として彼女とその家族を辱めてやろうとし、家の門や隣近所にまで落書きをしました。

そんなとき、彼女の行動をやめさせるだろうと思われていた厳格な父がこう言ったそうです

 

お前が真実を伝えるなら私も一緒にそこに立つ。世の中の人もそうするだろう

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そのあと、皆を集めて壁を白く塗り、落書きを消してくれたそう

私は自分の描く話で人々を揺さぶり 刺激して話しづらい会話をさせたいといつも思ってきました

そのためには視覚的な表現の方が有効的だと考えるようになりました

ドキュメンタリー映画作家に

21歳でドキュメンタリー映画作家になった話者は、カメラを紛争地帯の全線にいる社会から取り残されている人々に向けました。その後、故郷のパキスタンに戻り女性に対する暴力を題材にしたいと思うようになります。

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パキスタンは人口2億人だけど、識字率が低いため 社会の問題の見方を”文字”ではなく”映像(映画)”を通して変えられると考えた!

優れた語り手は私たちの感情に訴え共感や思いやりの気持ちを起こさせものの見方を変えさせます

名誉殺人を撮る

以前からずっと”社会に鏡を向けたい”と考えていたチノイさんを怒りのバロメーターが問題を調べるように駆り立て、2014年に「名誉殺人」に導きました。※家族が名誉を守るために、婚前交渉や同性愛等の恥と思われる行為を行った者を自ら殺害する風習

 

名誉殺人は世界のあらゆるところで起きています

男が決めた規則に背いた女性を罰する習わしで自分の意志で結婚相手を選ぶ女性や離婚を求める女性、不倫を疑われた女性などが殺されます

チノイさんは生存者の視点から取りたいと思っていた頃、奇跡的に生き残った女性サバの記事を目にしました。

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自分の意志で選んだ男性との結婚を理由に父親と叔父から顔を銃で撃たれたそう・・・

サバは彼らを刑務所に送ろうとしましたが、退院後許すように圧力をかけられました。実は、法律に抜け穴があり犠牲者が加害者を許すことで加害者は懲役を免れることができるのです。

彼女は「許さないとのけ者にする」と言われ実の家族や義理の家族も社会から疎外されると言われました。

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多くの人は、彼女のした「罪」を考えれば父親のしたことは当然だと考えていた

サバは戦い続けましたが、裁判の最終日に加害者を許すと陳述しました。映画製作者にとっては大きな落胆で、作ろうと思っていた映画になりません。※今考えると、彼女が告発し裁判で戦い、勝訴したとしても彼女のケースは例外にしかならなかったでしょう

 

このような強い信念の女性さえ沈黙させられるなら他の女性にどれだけのチャンスがあるでしょう?

そこで映画を使い、人々の「名誉殺人」への見方を変えさせ法律の抜け穴をふさぐことにつなげたいと考えました。

その後見事アカデミー賞を受賞し、名誉殺人がニュースの見出しに!

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試写会を首相官邸で行い、こんな記事が出ました。

名誉殺人に名誉なし

国内では、多くの人がチノイさんに賛同し法律の抜け穴をふさぐよう要求しました。

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2016年10月、ついに抜け穴が正式に塞がれた

法律は変わったが・・・

決議の翌日に一人女性が殺され、その後も繰り返されていました。

私たちの活動で法律は変わりましたが、それだけでは十分ではなかったのです

この映画とそのメッセージを携えて問題の核心地であるパキスタンの小さな町や村を巡ることが必要でした

映画は社会を前向きな方向へと変化させ形作るのに重要な役割を果たせるけど・・・どうやってそういう場所に届けられるのか?

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そのため、”移動式の映画館”を作成!

チノイさんは、対立する世界観に心開くような映画の紹介も始め、女性や子ども達が批判的思考をして物事に疑問を抱くよう働きかけました。

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中には上映を拒否する村も

しかし、日常の英雄が多くいることにも気づいたそうです。※映画が見られるのは男だけで女は家にいなくてはならないというと、コミュニティの長老がたちあがり、男女ともに映画が見られるように!

 

チノイさん達の活動で村の人々の接し方は変化しており、そこで学んだことを他の場所へと広げています

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