vol.3 安全保障 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~

社会問題
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安倍晋三首相(投稿時)は憲法改正を望んでいましたが、道半ばで辞任が決まりました。

以前から幾度となく憲法改正の是非が議論されていますが実際どこをどんなふうに変えようとしているのでしょうか?

ということで自由民主党憲法改正推進本部のHPにある改正案を詳しく見ていきます!

日本国憲法改正草案 | 資料 | 自由民主党 憲法改正推進本部
憲法公布から60年以上の歳月が経ちました。その間、わが国を取り巻く国際環境は大きく変化し、いま時代に即した憲法が求められています。自主的な憲法改正に取り組む自民党の活動をご紹介します。

 

これまでの記事はこちら!

vol.1 前文 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は前文の変更点を見ていきます
vol.2 天皇の位置づけ 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は天皇の規定の変更点や元号の規定などを見ていきます。

第二章 安全保障

憲法改正のなかで最も議論が行われる「憲法九条」問題。

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日本国憲法第2章「戦争の放棄」の条文は一つだけで、戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認が規定されていて「非戦憲法」「戦争放棄条項」と呼ばれています。

実際どのように変化するのか詳しく見ていきます!

戦争の放棄⇒安全保障

・現行憲法(戦争の放棄)※黒太字が変更箇所

日 本 国 民 は 、 正 義 と 秩 序 を 基 調 と す る 国 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 、 国 権 の 発 動 た る 戦 争 、 武 力 に よ る 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 は 、 国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て は 、 永 久 に こ れ を 放 棄 す る 。

② 前 項 の 目 的 を 達 す る た め 、 陸 海 空 軍 そ の 他 の 戦 力 は 、 こ れ を 保 持 し な い 。 国 の 交 戦 権 は 、 こ れ を 認 め な い 。

では次は改正案です。

・改正案(安全保障)※黒太字が変更箇所

日 本 国 民 は 、 正 義 と 秩 序 を 基 調 と す る 国 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 、 国 権 の 発 動 と し て の 戦 争 を 放 棄 し 、 武 力 に よ る 威 嚇 及 び 武 力 の 行 使 は 、 国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て は 用 い な い 。

2 前 項 の 規 定 は 、 自 衛 権 の 発 動 を 妨 げ る も の で は な い

 

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前半は書き方が変わっただけで内容は変わらないけど、後半ではいままで曖昧だった「自衛権」が明記されるように

 

戦争は放棄し、武力行使で国際紛争に対応しないけど自衛という観点からは別問題

現行憲法では「前項の目的」のための戦争を禁じているので、自衛のための実力には一切触れられていません。

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自衛も「前項の目的」に入るとも考えられるけどね・・・

しかし、自衛権の発動時には武力行使が可能となるというのが改正案と言ってよいでしょう。

そのため、自衛権の規定がしっかりしていないとどこから戦争をしていいのか曖昧になってしまう危険がありそうです。

【新設】国防軍

ここからは新たに加えられた条文になります。

第 九 条 の 二

我 が 国 の 平 和 と 独 立 並 び に 国 及 び 国 民 の 安 全 を 確 保 す る た め内 閣 総 理 大 臣 を 最 高 指 揮 官 と す る 国 防 軍 を 保 持 す る 。

2 国 防 軍 は 、 前 項 の 規 定 に よ る 任 務 を 遂 行 す る 際 は 、 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 国 会 の 承 認 そ の 他 の 統 制 に 服 す る

3 国 防 軍 は 、 第 一 項 に 規 定 す る 任 務 を 遂 行 す る た め の 活 動 の ほ か 、 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 国 際 社 会 の 平 和 と 安 全 を 確 保 す る た め に 国 際 的 に 協 調 し て 行 わ れ る 活 動 及 び 公 の 秩 序 を 維 持 し 、 又 は 国 民 の 生 命 若 し く は 自 由 を 守 る た め の 活 動 を 行 う こ と が で き る 。

4 前 二 項 に 定 め る も の の ほ か 、 国 防 軍 の 組 織 、 統 制 及 び 機 密 の 保 持 に 関 す る 事 項 は 、 法 律 で 定 め る 。

5 国 防 軍 に 属 す る 軍 人 そ の 他 の 公 務 員 が そ の 職 務 の 実 施 に 伴 う 罪 又 は 国 防 軍 の 機 密 に 関 す る 罪 を 犯 し た 場 合 の 裁 判 を 行 う た め 、 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 国 防 軍 に 審 判 所 を 置 く 。 こ の 場 合 に お い て は 、 被 告 人 が 裁 判 所 へ 上 訴 す る 権 利 は 、 保 障 さ れ な け れ ば な ら な い 。

国防軍は、

1日本の平和と独立並びに国及び国民の安全

2国際社会の平和と安全のため国際的に協調して行われる活動及び公の秩序

国民の生命若しくは自由を守るための活動

の達成のため活動し、法律や国会によって認められた行為のみ可能とのことです。

 

ちなみに・・・

1は現に自衛隊が行っている活動です。(個別的自衛権)

2はPKO活動(国連平和維持活動)のような災害・紛争被害の支援が該当します。また、集団的自衛権にあたる部分とも言えます。

3はどこの国民か明記されていませんが、文脈から考えれば国際規模での国民(世界の人々)と考えられます。まさに集団的自衛権です。

また、もう一つポイントなのが「自由を守るための活動」という部分です。

何をもって「自由」を規定するのでしょうか?

自由と言っても様々あります。このすみ分けがしっかり行われないと拡大解釈の恐れがあります。

自由の侵害が必ずしも命の危機や国家の危機になるとは限らず、ごく一部の人が自由の侵害にさらされたことを理由に大多数の人々を攻撃をするなんてこともあるかもしれません。

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自由とは・・・? 議論が必要です

【新設】領土等の保全等

第 九 条 の 三

国 は 、 主 権 と 独 立 を 守 る た め 、 国 民 と 協 力 し て 、 領 土 、 領 海 及 び 領 空 を 保 全 し 、 そ の 資 源 を 確 保 し な け れ ば な ら な い。

安全保障の部分に領土の条文が入ってきたのは驚きです。

竹島や尖閣諸島、北方領土など領土情勢の緊迫は一筋縄ではいかなそうです。

まとめ

憲法九条の改正案は、個別的自衛権と集団的自衛権の明確化であるといえそうです。

戦争ができる国になってしまうとか、平和放棄とまで入っていませんが少なくとも現行憲法よりは戦争がしやすくなっています。

しかし闇雲に戦争ができるわけでなく、国民や国家の安全・自由のための「自衛」に限定されています。

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憲法九条改正=戦争開始 ではない!

 

次回は国民の権利及び義務に関する変更点を見ていきます。

ということで今回は以上です!

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