【前編】vol.4 国民の権利及び義務 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~

社会問題
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安倍晋三首相(投稿時)は憲法改正を望んでいましたが、道半ばで辞任が決まりました。

以前から幾度となく憲法改正の是非が議論されていますが実際どこをどんなふうに変えようとしているのでしょうか?

ということで自由民主党憲法改正推進本部のHPにある改正案を詳しく見ていきます!

日本国憲法改正草案 | 資料 | 自由民主党 憲法改正推進本部
憲法公布から60年以上の歳月が経ちました。その間、わが国を取り巻く国際環境は大きく変化し、いま時代に即した憲法が求められています。自主的な憲法改正に取り組む自民党の活動をご紹介します。

これまでの記事はこちら!

vol.1 前文 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は前文の変更点を見ていきます
vol.2 天皇の位置づけ 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は天皇の規定の変更点や元号の規定などを見ていきます。
vol.3 安全保障 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は安全保障の変更点を見ていきます

第三章 国民の権利及び義務

憲法改正の議論の中ではあまり出てこない内容ですが・・・一番実生活に影響のある部分です。

自由や法の下の平等など、どこが変化するのか見ていきます。

 

第十条から第四十条まであるので前編・中編・後編に分けていきます。

今回は日本国民の規定から、基本的人権や公共の福祉・請願権などの変更点を見ていきます!

第十条 日本国民

・現行憲法

日 本 国 民 た る 要 件 は 、 法 律 で こ れ を 定 め る 。

・改正案

日 本 国 民 の 要 件 は 、 法 律 で 定 め る 。

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語幹が変わっただけ!

第十一条 基本的人権の享有

・現行憲法

国 民 は 、 す べ て の 基 本 的 人 権 の 享 有 を 妨 げ ら れ な い

こ の 憲 法 が 国 民 に 保 障 す る 基 本 的 人 権 は 、 侵 す こ と の で き な い 永 久 の 権 利 と し て 、 現 在 及 び 将 来 の 国 民 に 与 へ ら れ る 。

・改正案

国 民 は 、 全 て の 基 本 的 人 権 を 享 有 す る

こ の 憲 法 が 国 民 に 保 障 す る 基 本 的 人 権 は 、 侵 す こ と の で き な い 永 久 の 権 利 で あ る。

否定文から肯定文に表現が変わっているだけでほぼ同じです。

二文目は「現在及び将来」が無くなっていますが・・・

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いずれにせよほとんど内容は変わっていません

第十二条 国民の義務(公共の福祉)

・現行憲法

こ の 憲 法 が 国 民 に 保 障 す る 自 由 及 び 権 利 は 、 国 民 の 不 断 の 努 力 に よ つ て 、 こ れ を 保 持 な け れ ば な ら な い 。

又 、 国 民 は 、 こ れ を 濫 用 し て は な ら な い の で あ つ て 、 常 に 公 共 の 福 祉 の た め に こ れ を 利 用 す る 責 任 を 負 ふ 。

・改正案

こ の 憲 法 が 国 民 に 保 障 す る 自 由 及 び 権 利 は 、 国 民 の 不 断 の 努 力 に よ り 、 保 持 さ れ な け れ ば な ら な い 。

国 民 は 、 こ れ を 濫 用 し て は な ら ず 、 自 由 及 び 権 利 に は 責 任 及 び 義 務 が 伴 う こ と を 自 覚 し 、 常 に 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 反 し て は な ら な い 。

一文目は表現が変化しただけで内容は変わっていません。

二文目は公共の福祉(自由や利益の相互的衝突を調節し,その共存を可能とする公平の原理。)が無くなりました。

ですが「自 由 及 び 権 利 に は 責 任 及 び 義 務 が 伴 う こ と を 自 覚 し 、 常 に 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 反 し て は な ら な い 。」と書かれています。

前半はサルトル哲学「自由の刑」に似た内容です。

サルトルは「ドイツ占領下にあったときほど、自由であったことはなかった」と言った
サルトルさんの自由の刑の話から、ブログを書き始めた理由を書いています!

後半の部分も、公共の福祉は「社会全体の幸福」と言い換えることができるので同じ内容です。

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少し言い方がきついから強制感が増してるけど・・・

第十三条 人としての尊厳等

・現行憲法

す べ て 国 民 は 、 個 人 と し て 尊 重 さ れ る 。 生 命 、 自 由 及 び 幸 福 追 求 に 対 す る 国 民 の 権 利 に つ い て は 、 公 共 の 福 祉 に 反 し な い 限 り 、 立 法 そ の 他 の 国 政 の 上 で 、 最 大 の 尊 重 を 必 要 と す る。

・改正案

全 て 国 民 は 、 と し て 尊 重 さ れ る 。 生 命 、 自 由 及 び 幸 福 追 求 に 対 す る 国 民 の 権 利 に つ い て は 、 公 益 及 び 公 の 秩 序 に 反 し な い 限 り 、 立 法 そ の 他 の 国 政 の 上 で 、 最 大 限 に 尊 重 さ れ な け れ ば な ら な い 。

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公共の福祉が変わる以外、内容は変わっていません

第十四条 法の下の平等

・現行憲法

す べ て 国 民 は 、 法 の 下 に 平 等 で あ つ て 、 人 種 、 信 条 、 性 別 、 社 会 的 身 分 又 は 門 地 に よ り 、 政 治 的 、 経 済 的 又 は 社 会 的 関 係 に お い て 、 差 別 さ れ な い 。

② 華 族 そ の 他 の 貴 族 の 制 度 は 、 こ れ を 認 め な い 。

③ 栄 誉 、 勲 章 そ の 他 の 栄 典 の 授 与 は 、 い か な る 特 権 も 伴 は な い 。

栄 典 の 授 与 は 、 現 に こ れ を 有 し 、 又 は 将 来 こ れ を 受 け る 者 の 一 代 に 限 り 、 そ の 効 力 を 有 す る 。

・改正案

全 て 国 民 は 、 法 の 下 に 平 等 で あ っ て 、 人 種 、 信 条 、 性 別 、 障 害 の 有無 、 社 会 的 身 分 又 は 門 地 に よ り 、 政 治 的 、 経 済 的 又 は 社 会 的 関 係 に お い て 、 差 別 さ れ な い 。

2 華 族 そ の 他 の 貴 族 の 制 度 は 、 認 め な い 。

3 栄 誉 、 勲 章 そ の 他 の 栄 典 の 授 与 は 、 現 に こ れ を 有 し 、 又 は 将 来 こ れ を 受 け る 者 の 一 代 に 限 り 、 そ の 効 力 を 有 す る。

法の下の平等に関する規定の改正案の注目すべきところは障がい者に対する差別が明記されていることです。

逆に現在まで障がい者に対する規定がなかったことに驚いています・・・

これはぜひとも変えるべき点ですね。

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これはすごい!!!

第十五条 公務員の選定及び罷免に関する権利等

・現行憲法

公 務 員 を 選 定 し 、 及 び こ れ を 罷 免 す る こ と は 、 国 民 固 有 の 権 利 で あ る 。

す べ て 公 務 員 は 、 全 体 の 奉 仕 者 で あ つ て 、 一 部 の 奉 仕 者 で は な い 。

公 務 員 の 選 挙 に つ い て は 、 成 年 者 に よ る 普 通 選 挙 を 保 障 す る 。

す べ て 選 挙 に お け る 投 票 の 秘 密 は 、 こ れ を 侵 し て は な ら な い 。

選 挙 人 は 、 そ の 選 択 に 関 し 公 的 に も 私 的 に も 責 任 を 問 は れ な い

・改正案

公 務 員 を 選 定 し 、 及 び 罷 免 す る こ と は 、 主 権 の 存 す る 国 民 の 権 利 で あ る 。

全 て 公 務 員 は 、 全 体 の 奉 仕 者 で あ っ て 、 一 部 の 奉 仕 者 で は な い 。

公 務 員 の 選 定 を 選 挙 に よ り 行 う 場 合 は 日 本 国 籍 を 有 す る成 年 者 に よ る 普 通 選 挙 の 方 法 に よ る

4 選 挙 に お け る 投 票 の 秘 密 は 、 侵 さ れ な い 。

選 挙 人 は 、 そ の 選 択 に 関 し 公 的 に も 私 的 に も 責 任 を 問 わ れ な い

この部分の重要な点は、公務員の選挙を行える有権者が「日本国籍を有する成年者」に定められた部分です。

これまで日本在住の外国人の選挙権が曖昧だったのではっきりと定められそうです。

 

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日本国籍の人ならどこ出身でも参政権があるように!

第十六条 請願する権利

・現行憲法

何 人 も 、 損 害 の 救 済 、 公 務 員 の 罷 免 、 法 律 、 命 令 又 は 規 則 の 制 定 、 廃 止 又 は 改 正 そ の 他 の 事 項 に 関 し 、 平 穏 に 請 願 す る 権 利 を 有 し 、 何 人 も 、 か か る 請 願 を し た た め に い か な る 差 別 待 遇 も 受 け な い。

・改正案

何 人 も 、 損 害 の 救 済 、 公 務 員 の 罷 免 、 法 律 、 命 令 又 は 規 則 の 制 定 、 廃 止 又 は 改 正 そ の 他 の 事 項 に 関 し 、 平 穏 に 請 願 を す る 権 利 を 有 す る

請 願 を し た 者 は 、 そ の た め に い か な る 差 別 待 遇 も 受 け な い 。

差別待遇に関する部分が分かれただけで内容に大きな変化はないです。

第十七条 国等に対する賠償請求権

・現行憲法

何 人 も 、 公 務 員 の 不 法 行 為 に よ り 、 損 害 を 受 け た と き は 、 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 国 又 は 公 共 団 体 に 、 そ の 賠 償 を 求 め る こ と が で き る 。

・改正案

何 人 も 、 公 務 員 の 不 法 行 為 に よ り 損 害 を 受 け た と き は 、 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 国 又 は 地 方 自 治 体 そ の 他 の 公 共 団 体に 、 そ の 賠 償 を 求 め る こ と が で き る 。

地方自治体がその他から外れ、明記されるように変わるのは地方分権が進んだ象徴のように感じます。

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地方分権の進展=条文が変化

まとめ

今回は基本的人権や公共の福祉、法の下の平等、請願権などを見てきました。

公共の福祉が無くなったり、障がい者の権利が定められたりとところどころ変化がありました。

ですが大意に変化はなく、現代風に言葉遣いが変わっているのが大半でした。

 

国民の権利及び義務に関する内容は第四十条まで続くので、前編・中編・後編に分けてみていく予定です。

 

 

ということで今回は以上です!

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