【中編】vol.5 国民の権利及び義務 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~

社会問題
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安倍晋三首相(投稿時)は憲法改正を望んでいましたが、道半ばで辞任が決まりました。

以前から幾度となく憲法改正の是非が議論されていますが実際どこをどんなふうに変えようとしているのでしょうか?

ということで自由民主党憲法改正推進本部のHPにある改正案を詳しく見ていきます!

日本国憲法改正草案 | 資料 | 自由民主党 憲法改正推進本部
憲法公布から60年以上の歳月が経ちました。その間、わが国を取り巻く国際環境は大きく変化し、いま時代に即した憲法が求められています。自主的な憲法改正に取り組む自民党の活動をご紹介します。

これまでの記事はこちら!

vol.1 前文 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は前文の変更点を見ていきます
vol.2 天皇の位置づけ 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は天皇の規定の変更点や元号の規定などを見ていきます。
vol.3 安全保障 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は安全保障の変更点を見ていきます
【前編】vol.4 国民の権利及び義務 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は国民の権利及び義務の変更点を見ていきます

第三章 国民の権利及び義務

憲法改正の議論の中ではあまり出てこない内容ですが・・・一番実生活に影響のある部分です。

自由や法の下の平等など、どこが変化するのか見ていきます。

 

第十条から第四十条まであるので前編・中編・後編に分けていきます。

今回は自由の規定やなどの変更点を見ていきます!

第十八条 身体の拘束及び苦役からの自由

・現行憲法

何 人 も 、 い か な る 奴 隷 的 拘 束 も 受 け な い又 、 犯 罪 に 因 る 処 罰 の 場 合 を 除 い て は 、 そ の 意 に 反 す る 苦 役 に 服 さ せ ら れ な い 。

2 何 人 も 、 犯 罪 に よ る 処 罰 の 場 合 を 除 い て は 、 そ の 意 に 反 す る 苦 役 に 服 さ せ ら れ な い 。

・改正案

何 人 も 、 そ の 意 に 反 す る と 否 と に か か わ ら ず 、 社 会 的 又 は 経 済 的 関 係 に お い て 身 体 を 拘 束 さ れ な い 。

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処罰の場合以外=社会的又は経済的関係ってことかな?

いずれにせよ、苦役・拘束は禁止されています。

第十九条 思想及び良心の自由

・現行憲法

思 想 及 び 良 心 の 自 由 は 、 こ れ を 侵 し て は な ら な い 。

・改正案

 思 想 及 び 良 心 の 自 由 は 、 保 障 す る 。

表現の違いはあれど内容は変わりません。

 

ですが改正案には第十九条の二として以下の条文が加わります。

第 十 九 条 の 二( 個 人 情 報 の 不 当 取 得 の 禁 止 等 )

何 人 も 、 個 人 に 関 す る 情 報 を 不 当 に 取 得 し 、 保 有 し 、 又 は 利 用 し て は な ら な い 。

インターネットが発展したここ最近に出てきたプライバシーの扱いに関する条文となります。

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時代に合わせて規定も加えていく!

第二十条 信教の自由

・現行憲法

信 教 の 自 由 は 、 何 人 に 対 し て も こ れ を 保 障 す る 。 い か な る 宗 教 団 体 も 、 国 か ら 特 権 を 受 け 、 又 は 政 治 上 の 権 力 を 行 使 し て は な ら な い 。

② 何 人 も 、 宗 教 上 の 行 為 、 祝 典 、 儀 式 又 は 行 事 に 参 加 す る こ と を 強 制 さ れ な い 。

国 及 び そ の 機 関 は 、 宗 教 教 育 そ の 他 い か な る 宗 教 的 活 動 も し て は な ら な い 。

 

・改正案

第 二 十 条 信 教 の 自 由 は 、 保 障 す る 。 国 は 、 い か な る 宗 教 団 体 に 対 し て も 、 特 権 を 与 え て は な ら な い 。

2 何 人 も 、 宗 教 上 の 行 為 、 祝 典 、 儀 式 又 は 行 事 に 参 加 す る こ と を 強 制 さ れ な い 。

国 及 び 地 方 自 治 体 そ の 他 の 公 共 団 体 は 、 特 定 の 宗 教 の た め の 教 育 そ の 他 の 宗 教 的 活 動 を し て は な ら な い 。 た だ し 、 社 会 的 儀 礼 又 は 習 俗 的 行 為 の 範 囲 を 超 え な い も の に つ い て は 、 こ の 限 り で な い 。

一つ目と二つ目に関してはほとんど変更はありません。

問題は三つ目の改正案の変化です。

社 会 的 儀 礼 又 は 習 俗 的 行 為 の 範 囲 を 超 え な い も の に つ い て は 、 こ の 限 り で な い 。

 

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どこまでが”範囲”に入るのか決められそうで決められない・・・

 

愛媛玉串料訴訟のように曖昧なところがちらほらあります。

津地鎮祭訴訟と愛媛玉串料訴訟を簡単にわかりやすく解説!【政教分離の判断基準とは?】
今回は、高校の「政治・経済」の授業で学ぶ政教分離にまつわる重要な2つの訴訟、「津地鎮祭訴訟つじちんさいそしょう」と「愛媛玉串料訴訟えひめたまぐしりょうそしょう」についてわかりやすく丁寧に解説していきます。この記事を読んでわかることそもそも政

そういったものを明確にするためだと考えられますがすみ分けが難しそうです。

第二十一条 表現の自由

・現行憲法

集 会 、 結 社 及 び 言 論 、 出 版 そ の 他 一 切 の 表 現 の 自 由 は 、 こ れ を 保 障 す る 。

② 検 閲 は 、 こ れ を し て は な ら な い 。 通 信 の 秘 密 は 、 こ れ を 侵 し て は な ら な い 。

・改正案

会 、 結 社 及 び 言 論 、 出 版 そ の 他 一 切 の 表 現 の 自 由 は 、 保 障 す る 。

前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、 公 益 及 び 公 の 秩 序 を 害 す る こ と を 目 的 と し た 活 動 を 行 い 、 並 び に そ れ を 目 的 と し て 結 社 を す る こ と は 、 認 め ら れ な い 。

3 検 閲 は 、 し て は な ら な い 。 通 信 の 秘 密 は 、 侵 し て は な ら な い 。

 

新たに追加された公 益 及 び 公 の 秩 序 を 害 す る こ と を 目 的 と し た 活 動 を 行 い 、 並 び に そ れ を 目 的 と し て 結 社 を す る こ と は 、 認 め ら れ な い。」という部分が大きな変化点です。

 

公益及び公の秩序=公共の福祉を害する活動とは何が該当するのでしょう?

【前編】vol.4 国民の権利及び義務 憲法改正について考えてみる ~自民党の憲法改正草案と現行憲法の違い~
憲法改正っていったいどこを変えるのでしょうか?どんな内容に変更するのでしょうか?自民党の憲法改正推進本部のHPにある改正案をくわしく、わかりやすく考えていきます。 レポートや課題への利用も! 今回は国民の権利及び義務の変更点を見ていきます

※公共の福祉に関する改正案はこちらの記事をご覧ください

 

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公益に反するといわれたらどんなことだろうと認められない!?

サラっと加えられていますが生活に大きな影響を与えそうな部分です

 

また第二十一条の二として以下のような条文が加えられます。

( 国 政 上 の 行 為 に 関 す る 説 明 の 責 務 ) 

国 は 、 国 政 上 の 行 為 に つ き 国 民 に 説 明 す る 責 務 を 負 う 

第二十二条 居住、移転及び職業選択等の自由等

・現行憲法

何 人 も 、 公 共 の 福 祉 に 反 し な い 限 り 、 居 住 、 移 転 及 び 職 業 選 択 の 自 由 を 有 す る 。

何 人 も 、 外 国 に 移 住 し 、 又 は 国 籍 を 離 脱 す る 自 由 を 侵 さ れ な い

・改正案

何 人 も 、 居 住 、 移 転 及 び 職 業 選 択 の 自 由 を 有 す る 。

全 て 国 民 は 、 外 国 に 移 住 し 、 又 は 国 籍 を 離 脱 す る 自 由 を 有 す る

 

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公共の福祉に反しない限りという部分が無くなったのが気がかり・・・

医者とか弁護士とかどうなるんだろ

第二十三条 学問の自由

・現行憲法

学 問 の 自 由 は 、 こ れ を 保 障 す る

・改正案

学 問 の 自 由 は 、 保 障 す る

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学問の自由は変更なしです

第二十四条 家族、婚姻等に関する基本原則

・現行憲法

婚 姻 は 、 両 性 の 合 意 の み基 い て 成 立 し 、 夫 婦 が 同 等 の 権 利 を 有 す る こ と を 基 本 と し て 、 相 互 の 協 力 に よ り 、 維 持 さ れ な け れ ば な ら な い 。

配 偶 者 の 選 択 、 財 産 権 、 相 続 、 住 居 の 選 定 、 離 婚 並 び に 婚 姻 及 び 家 族 に 関 す る そ の 他 の 事 項 に 関 し て は 、 法 律 は 、 個 人 の 尊 厳 と 両 性 の 本 質 的 平 等 に 立 脚 し て 、 制 定 さ れ な け れ ば な ら な い 。

・改正案

家 族 は 、 社 会 の 自 然 か つ 基 礎 的 な 単 位 と し て 、 尊 重 さ れ る 。 家 族 は 、 互 い に 助 け 合 わ な け れ ば な ら な い 。

2 婚 姻 は 、 両 性 の 合 意 に 基 づ い て 成 立 し 、 夫 婦 が 同 等 の 権 利 を 有 す る こ と を 基 本 と し て 、 相 互 の 協 力 に よ り 、 維 持 さ れ な け れ ば な ら な い 。

家 族 、 扶 養 、 後 見 、 婚 姻 及 び 離 婚、 財 産 権 、 相 続 並 び に 親 族 に 関 す る そ の 他 の 事 項 に 関 し て は 、 法 律 は 、 個 人 の 尊 厳 と 両 性 の 本 質 的 平 等 に 立 脚 し て 、 制 定 さ れ な け れ ば な ら な い 。

同性結婚など詳しいことは法律で定められるとして、「夫婦」や「両性」には同性同士が含まれるのかどうかが論点になりそうです。

また家族に関する新たな条文が加えられているのも注目すべきところです。

第二十五条 生存権等

・現行憲法

す べ て 国 民 は 、 健 康 で 文 化 的 な 最 低 限 度 の 生 活 を 営 む 権 利 を 有 す る 。

② 国 は 、 す べ て の 生 活 部 面 に つ い て 、 社 会 福 祉 、 社 会 保 障 及 び 公 衆 衛 生 の 向 上 及 び 増 進 に 努 め な け れ ば な ら な い 。

・改正案

全 て 国 民 は 、 健 康 で 文 化 的 な 最 低 限 度 の 生 活 を 営 む 権 利 を 有 す る 。

2 国 は 、 国 民 生 活 の あ ら ゆ る 側 面 に お い て 、 社 会 福 祉 、 社 会 保 障 及 び 公 衆 衛 生 の 向 上 及 び 増 進 に 努 め な け れ ば な ら な い 。

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大きな変更点は無し!

また第二十五条には環境保全・在外国民の保護・犯罪被害者に対する保護の条文が加えられています。

第二十五条の二 環境保全の責務

国 は 、 国 民 と 協 力 し て 、 国 民 が 良 好 な 環 境 を 享 受 す る こ と が で き る よ う に そ の 保 全 に 努 め な け れ ば な ら な い 。

第二十五条の三 在外国民の保護

国 は 、 国 外 に お い て 緊 急 事 態 が 生 じ た と き は 、 在 外 国 民 の 保 護 に 努 め な け れ ば な ら な い 。

第二十五条の四 犯罪被害者等への配慮

国 は 、 犯 罪 被 害 者 及 び そ の 家 族 の 人 権 及 び 処 遇 に 配 慮 し な け れ ば な ら な い 。

 

 

 

次回は勤労の義務や裁判を受ける権利についてみていきます。

 

という事で今回は以上です!

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