TENET【映画感想・評価・レビュー・あらすじ・考察】~私たちに自由意志はあるのか~

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公開日9月18日の朝八時に最速でクリストファーノーラン監督作「TENET」を見てきました!

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寝過ごさないように徹夜して臨戦態勢に入っていました

物理学から哲学といった広分野にわたる内容でした。

感想を書いた後に少し触れているので最後までご覧ください!

映画『TENET テネット』スペシャル予告
映画『TENET テネット』オフィシャルサイト|2021.1.8ブルーレイ&DVDリリース
映画『TENET テネット』大ヒット上映中!クリストファー・ノーラン 監督が仕掛ける、究極の映像体験×タイムサスペンス超大作!

あらすじ

満席の観客で賑わうウクライナのオペラハウスでテロ事件が勃発。罪のない人々の大量虐殺を阻止すべく特殊部隊が館内に突入する。部隊に参加していた名もなき男(ジョン・デイビッド・ワシントン)は仲間を救うため身代わりとなって捕らえられ、毒薬を飲まされてしまう・・・。

しかし、その薬は何故か鎮痛剤にすり替えられていた。昏睡状態から目覚めた名もなき男はフェイと名乗る男から“あるミッションを命じられる。それは未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというもの。未来では、“時間の逆行”と呼ばれる装置が開発され、人や物が過去へと移動できるようになっていた。

ミッションのキーワードは「TENET」 「その言葉の使い方次第で、未来が決まる。」謎のキーワード、tenetを使い第三次世界大戦を防ぐのだ。突然、巨大なキーワードに巻き込まれた名もなき男。彼は任務を遂行することができるのか。そして、彼の名前が明らかになる時、大いなる謎が明かされる。

クリストファーノーラン監督より

Movie theaters have gone dark. But movies don’t cease to be of value.

When this crisis passes,

the need to live and love and laugh and cry together, will be more powerful than ever.

We need what movies can offer us.

映画館は闇に包まれてしまった。だが決して映画がその価値を失うことはない。

この危機を乗り越えた時、人々は集まりたいという思いや、共に生き、愛し、笑い泣きたいという思いはかつてないほど強くなるだろう。

映画館はそのすべてを私たちにもたらしてくれる。

だから私たちは映画が必要なのだ。

ワシントンポストへの寄稿 2020 3月21日

監督・出演者

監督・脚本・制作は言わずと知れたクリストファーノーラン監督です。

メメントに始まりインセプションやインターステラー、ダンケルクそして今作でも「時間」を使った独創的で衝撃的な内容の映画を生み出しています。

主演はジョン・デイビッド・ワシントンです。

スパイク・リー監督作「ブラック・クランズマン」で主演、また以前はアメリカンフットボールの選手でもありました。

 

ニール役はロバート・パティンソンです。

ハリーポッターシリーズでセドリック・ディゴリー役を演じました。

また、「The Batman」の公開が控えています。

映画『ザ・バットマン』DCファンドーム予告 2021年劇場公開
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The Batman撮影中に新型コロナウィルスに感染したらしい・・・

キャット役はエリザベス・デビッキです。

「華麗なるギャッビー」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に出演しています。

 

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身長はなんと191cm! しかも劇中でヒールも履いてるという・・・

セイタ―役はケネス・ブラナーです。

ノーラン監督とはダンケルクに次ぐ二度目の出演です。

あまり悪役のイメージがない俳優です。ちなみにナイトの爵位を持っているそう。

内容の前に・・・

クリストファー・ノーラン監督最新作「TENET」の予告を読み解く~TENETの意味~
「TENET」この言葉を忘れず、全世界のために戦え。主人公は現実世界の時間を超越して展開される国際的なスパイ活動に挑む。

実は楽しみすぎて内容の予想をしていました。

ポスターのTENETの一部「TEN」が反転しているから時間を反転できるのは10分だけとか、反エントロピーがどうのこうの書いています。

時間制限は完全に外れでしたがエントロピーの法則は当たっていました!

ちなみにtenetという単語自体の意味は、(個人または集団が信奉する)主義、教義です。

また、ワードスクエアと呼ばれる縦に読んでも横に読んでも同じ単語になる遊びに出てくる文字でもあります。

また本編には出てきませんでしたが、「時間を逆転させると今ここにいる我々の存在は消滅するのか?」という問いは非常に哲学的なものです。映画の内容を踏まえて次の章で考えを書いてみます。

 

 

 

前置きが長くなりましたが、いよいよ内容に触れていきます!

 

以下ネタバレです

TENETの「時間の逆行」の謎と思惑

内容の深堀りの前に今作の肝である「時間の逆行」についておさらい!

瞬時にタイムトラベルをするものではない。

戻りたい時間分だけ戻ることはできる。(一年戻りたかったら、一年分逆行を行う必要がある)

エントロピーが減少する。(無秩序から秩序に戻る ex.舞っている土煙が元に戻る)

過去に戻る(さかのぼる)ことで、未来に自分はいなくなるが過去に二人の自分がいる。(逆も然り)

TENETパンフレットP17より

実は二人の自分が時間を逆転させると今ここにいる我々の存在は消滅するのか?」この答えになっています。

時間を逆転させると、その先にいるはずだった未来の自分が過去に戻るので自分は過去にいることになります。未来という時間からは消えますが、過去には存在するのです。

つまり時間を不可逆なものと捉えれば消滅を意味しますが、逆行できるとすれば存在は消えません。

時間の逆転を可能にする技術を作った未来の人々は、地球の滅亡が近いことを知り過去にやってこようとします。

ですが、本来の時間に逆行した状態です。そこで全体の時間を逆転できる装置「アルゴリズム」を起動させ、逆行した時間を本来の時間軸に変化させようとしているのです。この変化を止めるために主人公が奮闘します。

劇中では反転することで地球上の生物が瞬時に消滅すると言われています。

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実際は現在の人々は酸素が吸えなくなってしまうにとどまるのかも?まあどのみち消滅しそうだけど

エントロピーの法則

では時間が完全に反転したら全てが反転するのでしょうか?

実は物理法則まで反転させることはできないそうです

この根拠がエントロピーの法則です。エントロピーとは乱雑さという意味で、秩序から無秩序が生まれることをエントロピーの増大の法則と言います。

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コップに入った水(秩序)が飛び散る(無秩序)

劇中のすべてが元に戻るのは「エントロピーの減少」によるものと言われています。これが時間が戻って見える理由だと。

その結果、ラストのアクションシーンは時間の重なり合いでこれまでない映像体験が可能に!

エントロピー増大の法則とは?分かりやすく良いもので例えてみた! | とはとは.net
エントロピー増大の法則。この法則はとても分かりにくいので色々なものに例えられているのですが、「宇宙は常に秩序から無秩序に向かって変化している」など、どれもネガティブなものばかりです。そこで今回は、エントロピー増大の法則を良いもので例えてみました!他とはちょっと違う切り口で例えていますので、ぜひ読んでみてください。

エントロピーの法則についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

ストーリーの時間軸

次はストーリーの時間軸を見ていきます。

キエフ(時間を順行)

キエフ国立オペラ劇場でCIAエージェントとしてテロリストと戦い、爆弾を回収、目標物の回収にも成功。

ここで逆行する弾を操る人物に助けられている。

研究施設(時間を順行)

未来からの襲撃を未然に防ぐために活躍する組織に救われる。ここで時間の逆行を体験。

過去から時間が逆行するものが送られてきていると判明。

原因・理由は研究中だが、エントロピーの現象、陽電子が時間を逆行、核融合の非放射のようなものらしい・・・

ムンバイ(時間を順行)

逆行する弾丸がインド製だと突き止め、現地の武器商人を探すためアシスタントのニール(初対面であるが名もなき男のことを良く知っている)と調査を行う。

オスロ(時間を順行)

ロシアの武器商人セイタ―が黒幕だと知り、妻のキャットに接触。夫に贋作を売ったことが弱みであり、その解決のためフリーポートの保管庫に潜入する。

しかし、回転ドア状の装置から時間を逆行する人物が現れ襲われる。

タリン(時間を順行)

輸送中のプロトニウム241を奪うが、中身は不思議な物体だった。

そこに逆行する車でセイタ―とキャットがやってきて、キャットの命と引き換えにこの装置を交換するように言われる。

スタルスク12「最後の戦い」(時間を順行and逆行)

セイタ―は末期がんで、自らの命と引き換えにアルゴリズムを起動させるつもりだ。

キャットはベトナムのヨットの上でセイタ―が自殺しないように説得。

名もなき男たちもアルゴリズムを求めてスタルスク12へ向かう。

スタルスク12 時間挟撃作戦(時間を順行and逆行)

スタルスクの爆発を起点に順行逆行で十分間の作戦を行う。

逆行するブルーチームは爆心地へ降下、敵の情報と排除を行う。

順行を行うレッドチームはブルーチームの撤収地域の制圧とアルゴリズムの確保を行う。

ニールはブルーチーム 名もなき男はレッドチーム

マグネヴァイキング号(時間を逆行)

全時間を逆行させるアルゴリズムのすべてのパーツをセイタ―が手にする。

しかし起動場所は約二週間前に起こった彼の故郷スタルスク12での爆発と分かり、大部隊と共に母艦「マグネヴァイキング号」で時間をさかのぼる。

オスロ(時間を逆行)

順序乱れるカーチェイスの中でパーツがセイタ―に取られてしまう。

また重症を負ったかっとを救うべくタリンの回転ドアをくぐり逆行を行い、再度順行コースに戻るためにオスロ(保管庫)の回転ドアを目指す。

以前飛び出してきたのは彼自身だった。

タリン(時間を逆行)

キャットは並行世界のセイタ―に撃たれる。

彼女を救うため名もなき男は過去に向かい、ハイウェイでセイターに追いつくがクラッシュし車が横転する。

先のチェイシングで目の前で横転していた車には彼自身が乗っていた。

 

スタルスク12での戦いがラストシーンになっていることから、時間軸の中間点がラストになっています。

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未来に起こることも過去に起こることも分かった状態という不思議な展開の映画に!

起きたことは起きたこと、無知でいることの強さ。

時間が絡み合った難解な内容になっています。

ニールとは何者なのか~内容深読み~

全体を通してキーパーソンになっているニール。

オペラ場で助けてくれたり、初対面なのに名もなき男のことを良く知っていました。ラストシーンでは時間を逆行を利用して得意の鍵開けを行い、そのうえ身を挺して主人公を助けます。

私は数年前に君に出会い、君は数年後に僕に会う。

時間を超えた友情がここにあります。

では、ニールとは一体何者なのか。実はキャットとセイタ―の息子なのではないのでしょうか?

 

父親の行動が許せなくて過去にやってきたとしたらアツい!!!

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ニールは2人いる説なんかもあるっぽい

時間を操るという事

最後は哲学的な内容について触れてみます。

もし劇中のように未来を知ることができるとしたら私たちの意志は存在するのでしょうか?

かみ砕いて説明してみます。

今から一日後の行動を知ったとします。なぜか北極にいるとしましょう。

そこで絶対に北極に行かないように家に籠ることにします。

しかし・・・

なんやかんやあって北極に到着してしまいます。

どんな対策をとっても結末は変わらない「目的論」の完成です。

これは私たちの未来はどんなことがあっても変化しないことを示します。

「なんやかんや(意志を介入)」しても変わらないのです。

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ちなみに意志のの介入を許す「目的論」のほかに意志の介入を許さない「機械論」もあります

これは実に不思議なことです。

「頑張れば未来は変えられる」「頑張らなくても未来は変わらない」この「頑張る行為」は未来の変化に一切影響を与えないというのです。というより頑張る行為そのものが予定された行為となるのです。

 

私たちには自由意志がないのです。

 

では「自由=計画の内」なのが今の世界なのでしょうか?これも難しい問いです。実際にこの通りなら人生の結末はさだめられているのです。

この考えのもと書かれた小説がテッド・チャンの「息吹」におさめられた短編「予期される未来」です。

あらすじ

ボタンを押す一秒前にライトが光る装置があり、光る前にどんな方法で押したとしてもボタンをライトを光る前に押すことはできません(結末は決まっている)。

人々は人生も決定づけられてると思い絶望します。

最後に結果は変わらないと知りながらも自由意志を捨ててはならないと警告をします。しかし、警告を行うことですら決められていたのです・・・・

さあどうでしょう。これが人生なのでしょうか?

私の考え

私の考えとして、時間を操れるかどうかで自由意志の有無が決まると思います。

屁理屈に聞こえるかもしれませんが、知らない未来が決まっていたとしても知らない以上決定されていると認識はできません。そのため私たちは未来を切り開くことができるのです。

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分からないことは決まっていない!

この考えはシュレーディンガーの猫理論の応用でもあります。

箱に入れることで猫は生きている状態と死んでいる状態を併せ持ち、観測するまではその結果は確定しない

目的論では結果は確定しているのですが、わからないものはわからないので結果もふたを開けるまで不明なのです。

また別の考えとしてパラレルワールドがあります。

目的論で構成された世界だけでなく選択によって無数の世界が生まれるというものです。

無数の結末の中から自分が願った結末にたどり着く世界に私たちはいるのです。

願う=自由意志と考えれば意志は存在すると捉えられます。

しかしこの考えは大きな欠陥があります。

最後の結末が決まっていても途中の突発的な行動の結果まで願っているのかという問いと、意志によって結末が決まっているという問い(=こんな人生じゃなかったという人はいない)です。

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一つの世界だけで生きるのではなく絶えず行き来している?

人生を後悔している人は別の世界に迷いこんでいるのか?

ぶっとんだ内容ですが、この手の問題は結論がないのが答えです。(未来を知れるようになったら分かりますが)

人の数だけ答えがあるはずです。

 

 

 

という事で今回は以上です!

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