彼らは生きていた/THEY SHALL NOT GROW OLD 感想!

映画感想
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映画感想一発目は第一次世界大戦のイギリス軍を映した映像にカラーを付けたドキュメンタリー映画「彼らは生きていた/THEY SHALL NOT GROW OLD」

 

STORY 第一次世界大戦 兵士たちが見た真実の戦争とは

 

1914年、人類史上初めての世界戦争である第一次世界大戦が開戦。

8月、イギリスの各地では宣戦布告の知らせと共に募兵を呼びかけるポスターが多数掲載された。笑顔の兵士が描かれ”今こそチャンスだ 男たちよ 入隊を”などのキャッチコピーが入っている。志願資格の規定は19歳から35歳だったが、19歳に満たない大半の若者たちも「誕生日を変えろ」と言われるままに年をごまかして自ら入隊。「祖国のために戦うのは当然!」と愛国心で志願したと語るのは、かつての兵士。「周りが皆、志願していたので自分も行くべきだと思った」、「退屈な仕事から解放されたかった」と、よく分からないまま志願した者も多く、国全体が異様な興奮状態に包まれていった。

彼らはその後、練兵場に移動。朝は起床ラッパで目覚め、腕立て伏せや体操、ストレッチ、朝食後は午前中いっぱい更新する。重さ50キロはあるフル装具で行軍できるように鍛えるのが目的だ。午後は機関銃や小銃を使った基礎訓練。6週間ほどで世間知らずだった青年たちも立派なイギリス兵へと成長した。重装備での行進は辛く、早く実戦で暴れたいと彼らが思った頃、ついに西部戦線への派遣が通達された。

船でフランス入りしたイギリス兵たちは西部戦線に向かって行軍。どこを歩いているかわからないほど進むと、射撃の音がかすかに聞こえ、ドイツ軍が近いと分かった。その後、イギリス兵たちは塹壕で監視と穴掘りに分かれて交代しながら勤務する。目に入るのは腸が飛び出た馬と頭を撃たれた兵や、有刺鉄線に引っかかったまま置き去りにされた死体。遺骸が腐っていく悪臭も日常になっていった。それでもイギリス兵たちは土の壁に横穴を掘っただけの粗雑な寝床で仮眠をとり、機関銃の冷却水を使って紅茶を淹れるなど、つかの間の休息を楽しむことも忘れない。死体が沈んだ砲弾孔の水や雨水をガソリンの空き缶に貯めて使うこともあったが「煮沸すれば大丈夫」と、ひどい環境でも皆笑顔を見せるのだった。悪夢のような日々が続くある日、秘密兵器である菱形戦車が登場し、彼らは勝利を確実視した。

ついにやってきた突撃の日。兵士たちは遅かれ早かれいつかは死ぬか負傷する覚悟はできていた。突撃の命令で、塹壕を飛び出し、ドイツ軍の陣地へ前進。最初は信じがたいほどに迎撃がなかったが、こちらの出方を見ていたのだろう。いきなり射撃が始まり、仲間は次々と倒れて……。

パンフレットより

 

 

監督・制作はピータージャクソン

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや「ホビット」シリーズを手掛けた監督でもあります。

今作は、祖父が実際に第一次世界大戦に従軍していたため「最も個人的な作品」らしいです。

 

制作での苦労

 

今作の映像は帝国戦争博物館に保管されていた2200時間以上の、しかも百年前の映像を復元したもので、フィルムのスピード(現在は毎秒24フレームだが、当時は10~18フレーム)や音声、カラー化など多くの障害があったそう・・・

 

見た感想

 

映像のきれいさだけでは伝えられない何かがある!!!

見終わってまずこう感じました。ドキュメンタリー映画はほかの映画と比べストーリーに必ずしも起承転結があるとは限りません。そこでなるべく「リアルな映像」を求めます。その代表例はクリストファーノーラン監督の「ダンケルク」です。しかし、「彼らは生きていた」は「リアルな映像」とは違います。確かにカラー化し、編集により見やすくはなっているでしょう。でも、4Kや8K映像にはかないません。しかし、かなってしまっているんです。

それは、「本物の映像」だから。これまで、映画やゲームで射撃音や爆発音、死体を山ほど見てきました。しかし、それはあくまでり現実に近づけただけのものでした。この映画を通して初めて実物をみました。それだけで、この映画をみてよかったと心の底から思いました。

 

映画を深める

 

劇中では、実際に志願し数人の方の言葉がちりばめられていました。彼らは、動機はどうであれ「志願」した人たちです。社会全体も戦争に向かっていました。(兵隊でない若い男のポケットには臆病者を意味する「白い羽」を入れる人もいたそう)そこには、それまでの戦争はWW1より被害が少なかったからでしょうか、「戦争は悲惨だ!」という批判は声を大にして叫ばれてはいませんでした。(実際に少しはあったと思います)

戦争が望まれる現象は、国の目的と国民の目的が一致するとどんな狂気も崇高なものになることからくると思います。戦前の日本がまさにそうです。「お国のために命を捨てる」現在はこの一致は推奨されていません。全体主義とでも言うのでしょうか。しかし、この高揚感は良い面もあります。それは、「一人一人の力は弱くても、みんなでやれば強くなれる」からです。力を使う方向を決定づける優秀なリーダー(責任をとれる、全体の幸福を目指すetc.)がいればとんでもない改革ができます。しかし、存在しないのが今現在です。優秀なリーダーはアウトサイダー(革新)から生まれ、継続はインサイダー(保守)が行うものです。優秀なアウトサイダーが生まれるのはどうすればよいのでしょう・・・

 

最後になりましたが、「彼らは生きていた/THEY SHALL NOT GLOW OLD」を読み解きましょう。個人的に日本語の題名は嫌いです。”SHALL”の意味が完全に無視されています。 I shall not glow oldは「年取るつもりはない」と訳せますが主語が”I”以外だと、簡単に言うと王様口調(命令)になります。つまり、「They shall not glow old」は「彼らを年取らせてはいけませんよ」という制作者側からの命令です。

 

我々は、”彼ら=兵士たち=戦争”を何年たっても忘れてはいけないのです。

 

 

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